~物流の労働力不足解決や、災害時の山間部への物資配送の効率化を目指す~
KDDI株式会社
アイサンテクノロジー株式会社
KDDIスマートドローン株式会社
株式会社KDDI総合研究所
株式会社ティアフォー
KDDI株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 CEO:髙橋 誠、以下 KDDI)、アイサンテクノロジー株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:加藤 淳、以下 アイサンテクノロジー)、KDDIスマートドローン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:博野 雅文、以下 KDDIスマートドローン)、株式会社KDDI総合研究所(本社:埼玉県ふじみ野市、代表取締役所長:中村 元、以下 KDDI総合研究所)、株式会社ティアフォー(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:加藤 真平、以下 ティアフォー)は2024年12月6日、物流2024年問題など労働力不足の解決や、災害時の山間部への物資配送の効率化に向けた、自動配送ロボット・自動運転車・ドローンの協調配送実証(以下 本実証)に成功しました。
なお、1つの目的(配送)を達成するために位置情報の定義が異なる3種類のモビリティを連携させる実証に成功したのは国内初です(注1)。
5社は今後、労働力不足が顕在化する2030年を目途に、建物内からの配送や都心ビルへの配送は自動配送ロボット、都市部からの大規模な配送は自動運転車、陸上からの輸送が困難な地域ではドローンで配送を行うといった地域に適したモビリティを組み合わせた全自動の荷物配送サービスの社会実装を目指します。
KDDIは、2024年5月から、お客さまの事業成長および社会課題の解決に貢献するため、AI時代における新たなビジネスプラットフォーム「WAKONX(ワコンクロス)」を始動しました。
今後、本実証を通じて培った技術をWAKONX Mobilityに組み込み、ロボットや自動運転車、ドローンの協調制御を支援します。そして、業務の自動化や省人化を促進し、特に物流の効率化や災害時の迅速な対応、高齢者の移動支援といった社会課題の解決に寄与します。
■背景・課題
- 国内の物流領域においては物流2024年問題など労働力不足が社会課題となっており、あらゆるモビリティが協調し、各モビリティの強みを組み合わせた全自動配送の実現が期待されています。
- 5社は、自動運転に関する実証実験を今年度含めて50件以上実施しています。またドローンや自動配送ロボットに関する実証実験も多く行っており、次世代モビリティに関する取り組みを進めてきました。
- 特に全自動配送の実現に向けては、「協調制御プラットフォーム」を開発し、2023年9月には自動運転車からドローンが離着する実証に成功しました(注2)。全自動配送実現による人手不足解消に向け、協調制御プラットフォームの対象を自動配送ロボットにも拡大するため、本実証に至りました。
■本実証の概要
- 5社は本実証において、自動配送ロボット、自動運転車、ドローンを協調制御し、各モビリティの合流地点を最適計算する統合配送経路計算技術(以下 本技術)を開発しました。
- 本技術を活用することで、建物内で荷物を受け取った自動配送ロボットと、ドローンを積んだ自動運転車が連携してお互いに最適な合流地点へ移動することに成功しました。また、自動配送ロボットから自動運転車へ荷物を受け渡した後、最適なドローンの離陸地点まで自動運転車が移動し、ドローンが離陸、目的地へ着陸、荷物の配送を完了したことを確認しました。
- 各モビリティが協調することで物流の労働力不足を解決できるほか、災害時の山間部への物資配送を効率化できることを確認しました。
■本実証のポイント
1. 協調制御の対象を拡大
自動運転車とドローンにおける協調制御プラットフォーム(2023年9月時点)に自動配送ロボットを加えるため、自動配送ロボットの位置情報を示すローカル座標から、自動運転車やドローンの位置情報を示す緯度経度座標へ変換する機能を追加しました。これにより、協調制御プラットフォーム上で3つのモビリティの位置情報のデータ連携が可能になりました。
2. 本技術による配送最適化
配達元、配送先のみを選択するだけで、各モビリティの最適な合流地点を自動計算します。配送地域の特性や風向を考慮した計算により、山間部における運行時間削減や、追い風を活用した飛行によるドローンの消費電力削減が可能です。
詳細は別紙をご参照ください。
<別紙>
■本実証について
1. 実証の流れ
- [1]建物内の施設で自動配送ロボットが荷物を受け取り
- [2]本技術で自動配送ロボットと自動運転車の連携地点を算出(屋外)
- [3]連携地点で自動配送ロボットから自動運転車へ荷物を受け渡し
- [4]自動運転車が山道手前で停車
- [5]山道手前でドローンが離陸
- [6]山道奥のドローンポートへ着陸、荷物を受け渡し、ドローンが離陸
- [7]自動運転車横にドローンが着陸
- [8]配送を完了した自動配送ロボット、自動運転車、ドローンは、次の配送予約に備えて元の場所に戻る
自動運転車両(Autoware搭載JPN TAXI) |
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ドローン(プロドローン製 PD6B-Type3) |
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自動配送ロボット(オムロン LD-90) |
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2. 期待される効果
- 物流の効率化を図り、労働力不足に対応することで、トラックドライバーの不足や高齢化問題を解消します。交通空白地における高齢者の移動や買い物困難の解決に寄与し、地域課題を解決することが期待されます。
- 災害時には到達が困難な地域への薬品などの配送を、複数のモビリティを協調制御することで実現します。
3. 場所
- 千葉県君津市の中山間地域
4. 各社の役割
KDDI |
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アイサンテクノロジー |
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KDDIスマートドローン |
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KDDI総合研究所 |
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ティアフォー |
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なお、本実証は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT(エヌアイシーティー))から受託した「スマートモビリティプラットフォームの実現に向けたドローン・自動運転車の協調制御プラットフォームの研究開発(採択番号:JPJ012368C01601)」の一環として行ったものです。
(参考)
■WAKONXについて
「WAKONX」は、KDDI VISION 2030「『つなぐチカラ』を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。」の実現に向け、日本のデジタル化をスピードアップするというコンセプトから生まれたブランドであり、機能群を有するAI時代のビジネスプラットフォームです。「WAKONX」を通じて、最適化したネットワークの設計・構築から、大規模計算基盤による企業間データの蓄積・融合・分析を行います。また、AIが組み込まれたサービスやソリューションを各業界に最適化して提供することで、法人のお客さまの事業成長と社会課題の解決を支援していきます。
- 注1)2024年12月6日時点(KDDI、KDDIスマートドローン、アイサンテクノロジー調べ)
- 注2)
- 注3)PPP-RTK:Precise Point Positioning(精密単独測位型)Real Time Kinematicの略。RTKはGNSSの位置測定の精度を向上させる方法の1つ。
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