ニュースリリース

学童クラブ入所申請など自治体業務をDX化、業務時間を最大56%削減

~多摩地域、自治体職員の業務効率化と住民の利便性向上を両立~

KDDI株式会社

KDDIは2022年4月15日から、東京都多摩地域の自治体における学童クラブ入所申請(該当項目へジャンプします注1)・妊娠の届出(該当項目へジャンプします注2)・妊婦面談の受付業務のオンライン化支援(以下 本取り組み)を実施しています(該当項目へジャンプします注3)。2022年4月15日から2023年3月13日までの期間における本取り組みの効果を調査し、自治体職員の対象受付業務に掛かる時間を最大56%削減することに成功しました(該当項目へジャンプします注4)。
東京都羽村市では、学童クラブ入所申請に係る業務において、従来業務では48時間かかっていた作業が、本取り組みにより業務時間を27時間削減しました。

妊娠の届出・妊娠面談のオンライン化で妊婦の負担を軽減!

学童クラブ入所申請のオンライン化で子育て世帯の負担軽減!

<本事業で実施したオンライン化のイメージ>

■背景

  • 多摩地域の自治体においてはペーパーレス化などの業務効率化が十分に進んでいないことが課題となっています。例えば、住民が手書きで提出した紙の申請書に記載されている住民情報を、自治体職員がシステムへ再度手入力するなど、業務プロセスの重複が発生している場合があります。
  • BPR(業務プロセス改革)を通じて、申請受付のオンライン化などによる自治体業務の効率化が求められており(該当項目へジャンプします注5)、自治体DXの知見を持つKDDIが支援事業者として、本取り組みの実施に至りました。

■本取り組みについて

1. 概要

  • 東京都の八王子市、昭島市、調布市、福生市、多摩市、羽村市、あきる野市において、BPRを通じて申請受付業務をオンライン化しました。また、申請された住民情報を庁内システムへ入力する業務をRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)により自動化するほか、書類に記載されている文字の読み込みをAI-OCRにより自動化することで、自治体職員の業務効率化を実現しました。
  • 自治体職員がBPRのノウハウを蓄積できるよう、KDDIがBPR案を作成する形式ではなく、自治体職員が実際に手を動かし検討いただくワークショップ形式としてBPRを実施しました。

2. 詳細

  • (1)

    学童クラブ入所申請におけるオンライン化

    課題
    • オンラインでの入所申請が無かったため、申請書の届出のために役所や学童クラブを訪れる必要があった
    • 学童クラブの申請者は就業している保護者が多く、申請のために仕事を休まなければならない場合があり、保護者の負担が大きかった
    実施内容
    • オンラインで学童クラブ入所申請できるオンライン申請フォームを構築
    • 申請情報を庁内システムに反映する業務のRPA化
    • 手書きで提出される申請書の読み込みにAI-OCR(該当項目へジャンプします注6)を活用
    結果
    • 対象業務時間を最大56%削減
    • 受付業務をオンライン化
    • 自治体職員における住民情報のシステムへの手入力業務を削減
    • 住民へのアンケート結果
      「仕事をしている人が学童に申し込むので、オンライン申請はとても助かります。」
    実施市
    • 八王子市、昭島市、福生市、羽村市

    八王子市の具体的な取り組みについては新規ウィンドウが開きますこちら

  • (2)

    妊娠の届出・妊婦面談のオンライン化

    課題
    • 妊娠の届出が窓口受付のみだったため、住民は窓口で書類に必要情報を手書きし、職員は手書きされた書類の情報をシステムへ手入力する必要があった
    • 届出のために役所を訪れることや、予約の電話をする必要があるなど、体調が優れないことがある妊婦にとって負担が大きかった
    実施内容
    • オンラインで妊娠の届出ができるオンライン申請フォームを構築
    • 妊婦面談のオンライン化
    • 妊婦面談の内容入力業務の自動化
    結果
    • 受付業務のオンライン化
    • 自治体職員における住民情報のシステムへの手入力業務を削減
    • 住民へのアンケート結果
      「つわりで会話するのがつらかったため、電話での予約でなく、インターネットで予約することができ、大変助かりました。」
    実施市
    • 調布市、多摩市、あきる野市

(参考)

■自治体職員へのDX教育

1. 概要

  • 自治体のBPRへ伴走支援するだけでなく、自治体主導でDXを実施できるようにすることで、サステナブルな自治体DXの実現に向けた支援を実施しました。

2. 詳細

課題
  • 行政手続に関する各種申請のオンライン化など、自治体DXが期待されている一方で、自治体ではDX人財やDXノウハウが不足しており、自治体が単独でDX教育を進めるのは困難
実施内容
  • 参加自治体の管理職と一般職員がそれぞれの立場でDXの必要性を理解し、自治体DXを推進するための関連知識の習得を目指すために、オンライン研修やワークショップ、動画学習を実施
  • 自治体DXを主導する立場である管理職向けの研修では、自治体DXの好事例を紹介すると共に、DXマインドを向上する機会を提供することを目的した研修プログラムを提供
  • 一般職向けの研修では、DX知識向上を目的とし具体的なツールを体験いただくワークショップなど、実践的な研修を提供
実施市
  • 多摩地域30市町村
    (八王子市、立川市、武蔵野市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市、調布市、町田市、小金井市、小平市、日野市、東村山市、国分寺市、国立市、福生市、狛江市、東大和市、清瀬市、東久留米市、武蔵村山市、多摩市、稲城市、羽村市、あきる野市、西東京市、瑞穂町、日の出町、檜原村、奥多摩町)

KDDIは今後も、各自治体と連携し、行政手続のBPRを通じたオンライン化をするなど、自治体におけるデジタルトランスフォーメーション(自治体DX)を推進することで、自治体職員の業務生産性の向上、および行政手続における住民利便性の向上を目指します。

  • 注1)
    就労などにより、保護者が昼間家庭にいない児童に、適切な遊びと生活の場を提供し、児童の健全な育成を図ることを目的とする事業。
  • 注2)
    母子健康手帳の交付や、妊娠面談などの母子保健サービスを適切に住民に提供できるよう、市町村が妊娠している人を早期に把握するための制度。
  • 注3)
    本取り組みは、東京都市長会が多摩地域30市町村と共に実施をする「多摩地域における行政のデジタル化推進支援業務」の一環。
  • 注4)
    東京都の八王子市、昭島市、調布市、福生市、多摩市、羽村市、あきる野市の自治体において、本取り組み実施前後の業務にかかる所要時間を、職員の時間計測の結果を基に比較。
  • 注5)
    「自治体DX全体手順書」(2023年1月20日 総務省)
  • 注6)
    光学式文字読み取り装置。
  • この記事に記載された情報は、掲載日時点のものです。
    商品・サービスの料金、サービス内容・仕様、お問い合わせ先などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。