~自治体・企業向けに提供、交通事故リスク低減を目指す~
KDDI株式会社
KDDIは2025年3月26日から、人流や車両のビッグデータと、過去の交通事故統計情報などのデータをAI分析し、地域ごとの危険地点を可視化する「交通安全インサイト」(以下 本ソリューション)を自治体・企業向けに提供開始します。交通事故発生リスクの高い危険地点を可視化することで、自治体における道路工事計画や交通事故対策を行う際に、データに基づいた対策箇所の選定や効果的な交通課題対策の立案、対策効果検証が可能になり、交通事故リスクの低減に寄与します。

KDDIはモビリティを取り巻く環境を踏まえ、「安全・安心なモビリティ社会の実現」「グリーンなモビリティ社会の実現」「モビリティ体験価値の拡張」をテーマに掲げて社会実装に向けた取り組みを進めています(注1)。
あわせて、お客さまの事業成長・社会課題解決へ貢献するため、AI時代の新たなビジネスプラットフォーム「WAKONX(ワコンクロス)」を始動しました。WAKONX Mobilityにおいては、パートナー企業との協業や通信・AIの活用により、事故や渋滞の発生の抑制などさまざまな社会課題を解決することを目指しています。
今後も本ソリューションにより交通事故統計情報などのデータをAI分析することで、安全・安心なモビリティ社会の実現に貢献していきます。
詳細は別紙をご参照ください。
<別紙>
■本ソリューションについて
1. 概要
高品質・高信頼なKDDIの人流データ(スマートフォン契約時の属性情報と紐づいた、最小10m単位・最短数分間隔で収集されるGPS位置情報データ)(注2)に加えて、車両データ(車両数、平均車速、急ブレーキ発生回数など)(
注3)、オープンデータである過去の交通事故統計情報などのデータをAI分析し、危険地点をスコアリングして地図上に可視化します。約50m四方単位で危険度合いを可視化するほか、高齢歩行者・高齢自転車利用者の割合や車両の急ブレーキ発生率など、各地点における危険要因となる特徴を確認できます。これにより道路標識の新設など、データに基づいた効果的な対策をはじめ、さまざまな交通安全業務に活用いただけます。
2. 活用データ
- 人流データ:歩行者数、自転車数、年代など
- 車両データ:車両数、平均車速、急ブレーキ発生回数、一時停止率など
- オープンデータ:交通事故統計情報など
3. 特長
- (1)複数データの統合分析で交通事故発生リスクを可視化
人流データと車両データ、オープンデータなど多様なデータを統合分析し、多角的・客観的な観点での交通事故発生リスクを地図上へ表示します。人流と車両のビッグデータを活用するため、例えば、自動車と自転車の接触事故リスクの高い地点を分析することが可能です。
<分析結果画面イメージ>
- (2)エリアごとの詳細なリスク要因・特徴分析
エリアごとの歩行者数、自転車通行台数、車両速度、急ブレーキ発生回数など多岐にわたる要因を分析し、事故リスクの背景を明らかにします。この情報を基に、効果的な交通事故対策の立案が可能です。
<分析結果画面イメージ>
- (3)使いやすい分析ツールで迅速な意思決定を支援
条件を設定したデータの絞り込み機能やリスクスコアのランキング表示機能により、迅速かつ効率的な分析が可能です。
■お問い合わせ
下記ホームページのお問い合わせフォームからお問い合わせください。
■活用事例
1. 小学校付近の生活道路における歩行者安全対策(交通安全対策への反映)
浜松市がオープンデータとして公開している危険予測箇所データや、市内の小学校の位置情報データなどを本ソリューションに取り込み可視化し、株式会社オリエンタルコンサルタンツ(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:野崎秀則、以下 オリエンタルコンサルタンツ)にて分析を行いました。
オリエンタルコンサルタンツが、分析結果から市内の小学校周辺の生活道路における交通事故の危険性の高い安全対策が必要な箇所を選定し、選定した箇所に関して交通事故対策を検討し、浜松市への提案に活用いただきました。
(実証協力:オリエンタルコンサルタンツ、浜松市)

- <オリエンタルコンサルタンツ 担当者コメント>
「浜松市がオープンデータとして公開している『交通事故AI分析』により予測された事故危険度に加え、人流データ・車両データなどの情報を組み合わせることで、より危険性の高い箇所を抽出できました。抽出された箇所は、現場においても危険な交通状況などが確認できたことから、対策が必要な箇所を効率的・効果的に発見することができたと考えております。」
2. ご家族の交通安全のために事故発生リスクの高い場所を可視化(見守りGPSサービス)
KDDIとドリームエリア株式会社(以下 ドリームエリア)がそれぞれ提供する見守りGPSサービスにおいて、2024年4月時点の本ソリューションの情報を基に、サービス利用者の多い世田谷区エリア限定で、交通事故発生リスクの高い場所の表示に対応します。
- ※本機能は、実証実験として2025年5月31日までの提供となります。
- 「あんしんウォッチャー」(提供:KDDI)
KDDIが提供する見守りGPS「あんしんウォッチャー」(2025年 オリコン顧客満足度®調査 子ども見守りGPS 総合第1位)では、交通事故注意エリア表示機能において本ソリューションの情報を活用し、交通事故リスクの高い場所を表示します。
小学校に通うお子さまの通学路や、ご家族の散歩コースで気を付けたい場所をあらかじめ確認し、交通安全にお役立ていただけます。<あんしんウォッチャーでの表示例> - 「みもり」(提供:ドリームエリア)
ドリームエリアが提供する、子どもの安全をGPSと音声で見守るサービス「みもり」の機能にある、みまもりエリアに登録をするための参考情報として、本ソリューションの情報を活用します。アプリ上に表示される事故リスクが高いエリアをタップすることで、土地勘がなくても危ない場所が把握することができ、みまもりエリアに登録してランプや音声で警告することができます。
<みもりでの表示例>
- <ドリームエリア 担当者コメント>
「この度、KDDIのご協力により、AI分析を活用した危険地点の可視化サービス『交通安全インサイト』という貴重なサービスをご提供いただきました。
ドリームエリアは、子どもの交通事故ゼロを目指し、子ども向け見守りGPS『みもり』をはじめとしたサービスの研究開発を進めております。『みもり』は、スマートフォンから子どもの居場所を把握できるだけでなく、緊急時には『みもり』自身が子どもへ直接音声で注意を促し、さまざまな危険を回避するサポートを行うことが可能です。そのため、今回の実証実験との親和性は非常に高いと考えております。
本実証実験で得たデータを活用し、より安全な環境づくりに貢献することで、子どもたちが安心して生活できる社会の実現を目指してまいります。」
(参考)
■WAKONXについて
WAKONXは、KDDI VISION 2030「『つなぐチカラ』を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。」の実現に向けて、日本のデジタル化をスピードアップするというコンセプトから生まれたブランドであり、機能群を有するAI時代のビジネスプラットフォームです。WAKONXを通じて、最適化したネットワークの設計・構築から、大規模計算基盤による企業間データの蓄積・融合・分析を行います。また、AIが組み込まれたサービスやソリューションを各業界に最適化して提供することで、法人のお客さまの事業成長と社会課題の解決を支援していきます。
- 注1)
- 注2)お客さまから個別に同意を得た上で取得し、誰の情報であるかわからない形式に加工しています。
- 注3)統計処理を行い、個人を特定できない形で活用しています。
- ※この記事に記載された情報は、掲載日時点のものです。
商品・サービスの料金、サービス内容・仕様、お問い合わせ先などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
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