~「TAKANAWA GATEWAY CITY」で採用、まちづくりにおける事業者共通の課題解決や地域活性化に貢献~
KDDI株式会社
KDDIは2025年3月27日から、街データとauデータを活用してスマートシティを実現するWAKONX SmartCityソリューション(以下 本ソリューション)を提供開始します。
本ソリューションでは、街の設備や人に関するデータを収集・分析するデータ基盤(以下 都市OS)を構築することで、「一人ひとりの興味関心にあった情報をタイムリーに提供するまちアプリ」「状況に合わせて自律的に行動するロボットサービス」「街全体のリアルタイムデータから未来をシミュレーションするダッシュボード」など、データを活用したスマートシティを実現します。また、サービス追加や環境変化に対して柔軟に拡張・対応可能なネットワーク環境を構築し、その上に高セキュリティ・高拡張性かつ災害に強いサーバー基盤を構築することで、都市OSや各サービスのデータを安全に連携します。
本ソリューションは、2025年3月27日にまちびらきする「100年先の心豊かなくらしのための実験場」のビジョンを掲げるTAKANAWA GATEWAY CITYで採用されています。東日本旅客鉄道株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:喜㔟 陽一、以下 JR東日本)によるスマートシティの取り組み支援に加え、今後はJR東日本が展開する広域品川圏などの都市開発エリアへも拡大し、豊かなまちづくりを推進していきます。

KDDIは今後もWAKONX SmartCityを通じて、本ソリューションを他都市にも拡大し、人口減少や労働力不足など、まちづくりにおける事業者共通の課題解決、街の賑わい創出、地域活性化に貢献していきます。
■本ソリューションについて
1. 概要
- セキュリティゲートの通過情報や防犯カメラの映像など街の設備を通じて収集した街データ、位置情報・属性情報・興味関心データなどのauデータ(注)を、都市OSに集約します。防犯防災、イベント、商業、オフィスなど異分野の膨大なデータ同士を、WAKONXの Data Layerに位置づくKDDI Data Clean Roomで個人情報保護に配慮しながら融合し分析することで、新しい施策を創出し続けるスマートなまちづくりを推進します。
- 施設を横断した街全体へ、拡張性が高く変化に強い統合ネットワークを構築し、環境変化に対して柔軟に拡張可能なネットワーク環境を実現します。また、高セキュリティかつ災害に強いサーバー基盤を構築し、都市OSや各サービスのデータを安全に連携します。
- 本ソリューションの提供に加え、スマートシティ・スマートビルの構築・運用に携わる方のコンセプト策定から実装まで一気通貫で支援します。
- 注)auデータに関しては、お客さまから情報を取得する際に明示した利用目的の範囲および第三者提供などの同意をいただいた範囲で利用します。
2. 本ソリューションによる実現内容
- (1)一人ひとりの興味関心にあった情報をタイムリーに提供するまちアプリ
- 都市OSに集約された街データとauデータを基に、お客さまの嗜好性に合った情報を適切なタイミングでレコメンドします。
- 生成AIを活用し、リアルタイムな街の状況を地図上で発信するまちマップを提供します。
- 街のイベント参加など活動をポイントで可視化し、街とのエンゲージメントを高める仕組みを実現します。
- (2)状況に合わせて自律的に行動するロボットサービス
- 異なるメーカーのロボット制御や街の設備と協調するロボットプラットフォームと、都市OSを連携することで、街のデータに連動した高度なロボットサービスを実現します。
- リアルタイムな街の混雑情報を基に最適なルートでお客さまへ配送します。
- 防犯カメラのデータなどを基に、属性情報から推定した商品をロボットに搭載し、これらの商品を求める人が多く集まる場所を把握した上で、ロボットが自律的に移動して商品を販売します。
- セキュリティゲートやエレベーター設備と連携し、「商業施設とオフィス」「ビルの中と外」など、街中をシームレスにロボットが移動します。
- (3)街全体のリアルタイムデータから未来をシミュレーションするダッシュボード
- 都市OS上の街の人流データや設備データなどをリアルタイムに取得し、高速にシミュレーションを実行するダッシュボードを提供します。
- たとえば、街で開催されるイベントをシミュレーションし、危険な箇所や人流滞留が発生するエリアがないように未然に防止策を策定します。イベント当日も1分間隔で人流を予測し、不測の事態でも迅速な対応が可能です。イベント終了後は、売上計画と実績の差分や人流などを基にイベント成功度を分析し、次回への改善点を提案します。
- また、災害時における街区全体の避難対応を3D都市モデル上で事前にシミュレーションし、防災計画を策定することが可能です。
- (4)イノベーション創出を加速する空間自在ワークプレイスサービス
- 2022年からJR東日本と共同で提供中の、離れていても同じ場所にいるかのようにチームでのコミュニケーションが可能となるテレビ会議システム「空間自在ワークプレイスサービス」により、まちに集まるスタートアップ企業や産学のイノベーション創出を加速します。
- 従来のWeb会議システムに比べて会話量が48%アップすることが実証されており、離れた拠点間でのイノベーション創出を加速します。

■TAKANAWA GATEWAY CITYでの活用事例
JR東日本が提供する以下のサービスを、本ソリューションにより実現しています。
1. TAKANAWA GATEWAY URBAN OSを基盤としたスマートシティ構築
- JR東日本が提供するTAKANAWA INNOVATION PLATFORMは都市OSをベースとしています。
- 鉄道データ、設備などの街データをリアルタイムに蓄積・分析し続けることで、分析精度を高め続け、分析データを活用する各種サービスの高度化を目指します。
2. TAKANAWA GATEWAY CITYアプリ
- JR東日本はまちアプリを「TAKANAWA GATEWAY CITYアプリ」と名付け、2025年3月27日から、TAKANAWA GATEWAY CITYの施設情報やイベント情報を提供します。
- まちアプリの機能をベースに、Suicaを登録することで興味関心にあった情報を改札通過時にレコメンドする機能や、街の状況に応じて投稿が変化するまちマップ、街とのエンゲージメントを高めるアクション機能を提供します。
- 2026年春のグランドオープンに向け、AR 3Dガイドやロボットによるフードデリバリーのオーダー機能など順次機能を追加していきます。
3. ロボットサービス
- 2025年4月11日から、TAKANAWA GATEWAY CITY内の「Gateway Park Market」のマルシェ商品を、混雑情報を基に計算した最適なルートでお客さまへ配送します。
- 2025年夏以降はセキュリティゲートやエレベーター設備と連携し、ロボットが屋内外をシームレスに移動するほか、販売する商品のターゲット層が多く集まる場所へ自律的に移動して商品を販売する機能を順次拡大します。
- 2026年春のグランドオープン時には、フードデリバリー・清掃・警備などの数十台(日本最大規模)のロボットが街区内で協調し、各ロボットの能力を最大限に引き出すことで、労働力不足の解決とサービスの高度化を実現します。
4. TAKANAWA GATEWAY DASHBOARD
- TAKANAWA GATEWAY CITY内で開催されるイベントのシミュレーションや、リアルタイムの混雑から直近の予測を行うことで、混雑による事故を未然に防ぐ機能を提供します。
- TAKANAWA GATEWAY CITYのまちびらきに向けて、災害時における街区全体の避難対応を3D都市モデル上で1万人規模のシミュレーションを行い、防災計画を策定しました。
5. イノベーションを創出し続ける柔軟なネットワーク・サーバー基盤
- 各拠点や用途を横断し、TAKANWA GATEWAY CITY全体をつなぐ統合ネットワークを構築しました。新たなサービス創出を継続できるよう、拡張性高く変化に強いネットワークを構築しています。
- TAKANAWA GATEWAY CITY内にローカルクラウドを設置し、災害に強いサーバー基盤を構築します。
- 日本最大規模のSDN(Software-Defind Network)を構築します。
その他のTAKANAWA GATEWAY CITYでの取り組みについては、別紙をご参照ください。
<別紙>
TAKANAWA GATEWAY CITYでは本ソリューションのほかに、以下の取り組みを実施していきます。
1. 街のイベントに彩りを加えるARサービス
- TAKANAWA GATEWAY CITYで行われるイベントと連動したAR技術により、街の体験を高める演出を提供します。
- 駅前の広場であるGateway Parkで開催されるエマニュエル・ムホー氏による100年の時の流れを100色で表現したゲート型のアート「100色の道」と連動したARコンテンツを提供し、街のスケールを生かしたデジタルならではのリッチなインタラクティブ体験をお楽しみいただけます。
2. 街データを活用したイノベーションの創出
- JR東日本が提供するビジネス創造施設「LiSH」会員の国内外のスタートアップ各社が、都市OSより提供する街データと鉄道データを活用し、アイデアをデジタルツインシミュレーション上で実証しながらサービス開発できる仕組みを整備します。
- 「空間自在ワークプレイスサービス」でLiSH施設とシンガポール国内最大のインキュベーション施設「Block71」を接続することで、グローバルネットワークも生かしたイノベーション創出を実現します。
なお、TAKANAWA GATEWAY CITYにおけるKDDIの取り組みはこちら。
■「空間自在プロジェクト」基本共同合意書の更新
2020年に締結した「空間自在プロジェクト」の実現に向けた基本合意書を、2025年4月に更新します。生成AI・データのさらなる利活用をもとに、TAKANAWA GATEWAY CITYでの各種取り組みを進めながら、JR東日本が展開する広域品川圏などの都市開発エリアへ拡げ、将来的には全国まで拡大していくことを視野に入れます。
■KDDI Data Clean Room
- 企業が保有する個人情報を外部へ提供することなく、KDDIが保有する情報と掛け合わせたデータ活用をセキュアな環境で可能にする「KDDI Data Clean Room」を開発しました。KDDI Data Clean Roomを活用することで、企業が保有する情報を安全な環境のもと個人が特定できない状態にデータを加工し掛け合わせ、統計情報としてマーケティングなどに活用します。
- KDDI Data Clean Roomでは、お客さまの情報を安全かつセキュリティが堅牢な状態で分析をするため、秘密計算技術などのPETs(Privacy-Enhancing Technologies:プライバシー強化技術)を活用しています。KDDIはこの技術に関する特許を複数取得し、最先端のプライバシー保護を実現しています。
- KDDI Data Clean Roomは当社が定める以下の条件を満たした企業に対して提供します。
プライバシーおよびデータガバナンスの条件を満たし、かつ社会に新たな価値を創出するために提携が必要と判断した企業。 - KDDI Data Clean Roomの取り扱い内容は「DCR(データクリーンルーム)」をご参照ください。お問い合わせは法人お客さまセンターまでお願いします。
- <法人お客さまセンター>
0077-7051(無料)
0800-777-7051(無料)
受付時間:9:00~18:00(年末年始を除く)
(参考)
■WAKONXについて
WAKONXは、KDDI VISION 2030「『つなぐチカラ』を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。」の実現に向け、日本のデジタル化をスピードアップするというコンセプトから生まれたブランドであり、3つの機能群を有するAI時代のビジネスプラットフォームです。WAKONXを通じて、最適化したネットワークの設計・構築やデータの蓄積・融合・分析を行います。また、AIが組み込まれたサービスやソリューションを各業界に最適化して提供することで、法人のお客さまの事業成長と社会課題の解決を支援していきます。

- ※この記事に記載された情報は、掲載日時点のものです。
商品・サービスの料金、サービス内容・仕様、お問い合わせ先などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
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