~1,000種類以上の災害関連情報を一元管理、防災DXを推進~
KDDI株式会社
KDDIは2024年9月27日から、防災DX推進を目的として、一枚の地図上に1,000種類以上の災害関連情報を重ね合わせて表示できる災害復旧支援ツール(以下 本ツール)の自治体向け試験提供を開始します。第一弾として、東京都市長会(注1)が主催する、東京都多摩地域の全30の市町村を対象とした防災DX推進ワークショップ(以下 本ワークショップ)にて試験的に提供します。本ワークショップは講義や本ツール活用を通して多摩地域の自治体に所属する防災担当者・DX担当者の防災基礎知識を向上することを目的としており、一般社団法人分散型防災データ利活用協議会の協力のもと作成した災害シナリオに基づき実施します。KDDIは、試験提供を通じて本ツールの機能や有用性の検証を行います。
本ツールは2025年度中の商用化を目指しており、活用促進に向けて防災コンサルティングや自治体職員向けの本ツール活用教育などの支援活動も予定しています。
■本ツールについて
本ツールは、雨雲レーダーデータやライブカメラ映像などのリアルタイム情報に加えて、自治体独自のハザードマップデータや避難者数データなど、災害関連情報を一元的に可視化できます。Web上で地図を表示させるSVG Map技術をベースに、1つの地図に多数の情報を重ねて表示できるハイパーレイヤリング技術(KDDI特許技術)や、多数の情報を高速で処理できるエッジコンピューティング技術を採用し開発しました。
データ種別 | 表示可能なデータの例 |
---|---|
リアルタイム情報 | 雨雲レーダー、天気、ライブカメラなど |
自治体の独自情報 | ハザードマップ、避難者数、備蓄品など |
地図情報 | バスルート、コンビニ、ガソリンスタンドなど |
■背景
- 近年、自然災害が激甚化しており、地域における防災対応力の向上が重要になっています(注2)。災害時には、各自治体が天候データや道路状況などのデータをもとに、どこに避難所を設置するか、どこを優先して復旧作業を実施するかなどの対応策を検討しています。一方で、バラバラのシステムから抽出したデータの統合や掛け合わせ分析が難しく、全体像の把握に時間がかかってしまう課題がありました。
- KDDIはこれまで、例えば能登半島地震の発生時に衛星ブロードバンド「Starlink」を採用した車載型・可搬型基地局で被災地の通信復旧に貢献するなど、通信維持を中心とした地域における災害対応に尽力してきました。こうした災害時を含めた通信基地局の管理のためには多様な情報を一元管理する必要があり、以前から社内向けに本ツールを使用してきました。
- 今回、KDDIが持つ技術と蓄積してきた知見を自治体の防災DX推進にも活用できると考え、本ツールの試験提供に至りました。
■本ワークショップの概要
1. 背景・実施内容
東京都市長会は、令和6年度「多摩地域における行政のデジタル化の取組」(注3)の一環として防災DX実証事業を実施しており、今回、一般社団法人分散型防災データ利活用協議会の協力のもと作成した災害シナリオに基づいたワークショップを開催します。なお、本ワークショップの実施に向け、2024年6月20日に、防災意識醸成のための講義を学識経験者協力のもと行いました。
2. 実施日
2024年9月27日、2024年10月31日の2日間
3. 実施場所
東京都府中市新町2-77-1
KDDIは今後も、地域の防災強化への貢献と、安心安全な社会の実現に向け取り組んでいきます。なお本ツールについては、KDDIグループ最大級のビジネスイベント「KDDI SUMMIT 2024」にて展示するほか、Day1のセッション「能登半島地震、現場対応のカギはDX ~実例から学ぶ、地域防災の未来~」(9月3日 14:10~15:10)でご紹介します。ご参加には事前の参加登録(無料)が必要ですので、「KDDI SUMMIT 2024」特設サイトからご登録ください。
(参考)
■本ワークショップへの協力
一般社団法人分散型防災データ利活用協議会
- 代表理事:目黒 公郎氏
東京大学教授、大学院情報学環長・学際情報学府長、工学博士。専門分野は都市震災軽減工学、国際防災戦略研究。 - 業務執行理事:平田 直氏
元東京大学地震研究所所長・教授、現東京大学名誉教授、理学博士、東京都防災会議地震部会長。専門分野は地震学、固体地球科学、防災科学。 - 理事:関谷 直也氏
東京大学大学院情報学環 総合防災情報研究センター長・教授。専門分野は災害情報論、社会心理学。
- 注1)多摩地域の26市が連絡協調を行い、各市の行政の円滑な運営・向上を目指しつつ、地方自治の発展につなげることを目的に、多摩26市の市長が任意に組織する団体です。
- 注2)
- 注3)令和3年度から令和7年度までの東京都市長会の政策テーマで、多摩30市町村が参加しています。
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