~「モビリティコントロールセンター」において11月から実証開始~
KDDI株式会社
KDDIは2026年10月22日、レベル4自動運転において、1人の監視者が多数の車両を同時に見守る1対N型遠隔監視(
注1)を支援するAIエージェント(以下 本エージェント)を開発しました。
遠隔監視型レベル4自動運転では、遠隔監視システムと、車両の状況確認や異常時の対応を担う特定自動運行主任者(
注2)(以下 監視者)の配置が義務付けられています(
注3)。今後、深刻な人手不足に対応し、運行コストを低減しながら自動運転車両の導入を拡大するためには1対N型遠隔監視の実現が重要です。
一方、多数の車両を同時に監視する環境で、複数の車両に異常が重なって発生した場合、監視者は各車両の異常状況とその周辺状況をリアルタイムに把握し、どの車両から対応すべきか迅速に判断する必要があります。
本エージェントは、異常が発生して停車した多数の車両について、各車両の状況とその変化を継続的に分析して、対応の優先度を判定し、推奨対応を監視者に提示します。これにより、監視者の状況把握や判断にかかる負担を軽減し、迅速かつ的確な対応を支援します。
KDDIは2027年以降の早期の社会実装を目指し、KDDIの「モビリティコントロールセンター」において2026年11月から、多数の車両で異常が同時発生する状況や、停車後に周辺状況が変化する場面を模擬した実証を開始します。実証を通じて、本エージェントの有効性を検証し、KDDIスマートモビリティと協力しながら、さらなる改善・高度化を進めます。

KDDIとKDDIスマートモビリティは、自治体や交通事業者など向けに、自動運転およびオンデマンド交通サービスの導入から運用までを一貫して支援しており、その一部として「モビリティコントロールセンター」による遠隔監視を提供しています(
注4)。本エージェントを通じて遠隔監視をAIで高度化し、より多数の車両を安全に見守れる体制を整えることで、自動運転の社会実装を加速し、安心・安全で持続可能な自動運転サービスの実現に貢献します。
■背景
- 深刻な運転手不足を背景に、地域の移動手段や物流網を維持するため、自動運転技術の社会実装に対する期待が高まっています。政府は2030年度までに自動運転サービス車両を国内に1万台導入する目標を掲げており(
注5)、その実現と持続可能なサービス提供には1人の監視者が同時に多数の自動運転車両を監視しながら異常車両に対応する1対N型遠隔監視の体制構築と、監視業務の効率化が重要となります。 - KDDIの「モビリティコントロールセンター」では、自治体や交通事業者と連携して地域交通の実装・運行支援を担うKDDIスマートモビリティや物流業界のさまざまなパートナーと連携し、自動運転車両の位置や映像、音声、運行状態、通信品質、異常発生時のアラートなどをリアルタイムで確認し、異常時には早期に把握して関係者と連携できる体制を構築しています。
- 具体的な取り組みとして、2025年7月15日に新東名高速道路を走行する自動運転トラックの異常検知・現場駆け付け・車両退避の一連のオペレーション実証に成功したほか(
注6)、2026年10月からはKDDIスマートモビリティとともに茨城県つくば市で運行する自動運転路線バスの遠隔監視を開始しています(
注4)。こうした実証や実運用の拡大を踏まえ、将来の本格的な1対N型遠隔監視の実現に向けて遠隔監視業務にAIを取り入れ、新たなシステム開発に取り組んできました。
■本エージェントの特徴
本エージェントは、車両や遠隔監視システムからの異常アラートを契機に、対象車両とその周辺状況の分析を開始します。
1. 対応優先度の判定と更新
本エージェントは、アラート発生時点の状況だけでなく、停車後に発生する落下物の飛来や周辺の交通状況の変化など、異常車両が停車した後の状況も継続的にAIで検知・分析します。多数の車両への対応が重なり、監視者が別の異常車両に対応している間も、各車両の状況変化に応じて対応優先度を更新します。これにより、新たな異常事象を見落とすリスクを低減するとともに、優先度の高い車両への迅速な対応を支援します。
2. 推奨対応と判断理由の提示
本エージェントは、VLM(視覚言語モデル)を活用し、車両のカメラ映像と各種車両情報を組み合わせて状況を分析します。その分析結果に応じて、緊急通報や現場駆け付けの手配などの推奨対応と、その判断に至った理由を画像と文章で分かりやすく監視画面上に提示します。これにより、監視者は映像や各種情報の重要な箇所を重点的に確認した上で最終判断を下すことができます。状況把握に要する労力を軽減し、迅速かつ的確な対応を支援します。
(参考)
■KDDIスマートモビリティについて
KDDIスマートモビリティは、「移動をもっとスマートに、地域をもっとポジティブに。」をミッションに、AIオンデマンド交通、公共ライドシェア、自動運転の提供を通じて、地域の移動課題の解決に取り組んでいます。自治体や交通事業者などと連携し、それぞれの地域特性やニーズに応じた交通サービスを提供することで、誰もが便利に移動できる持続可能な地域交通の実現を目指しています。
■「KDDI SUMMIT 2026」展示について
本エージェントに関する展示を、2026年10月27日・28日に開催するKDDIグループ最大級のビジネスイベント「KDDI SUMMIT 2026」(会場:TAKANAWA GATEWAY Convention Center)において実施します。ご参加には事前登録(無料)が必要です。詳細・お申し込みは、「KDDI SUMMIT 2026」特設サイトからご登録ください。
■関連記事
- 注1)1人の遠隔監視者が、同時に多数(N台)の自動運転車両を見守り・管理する運用体制。人手不足の解消や運行コスト削減に必要なアプローチ。
- 注2)特定自動運行主任者:特定自動運行(レベル4自動運転の運行)の実施にあたり、法令に基づく状況確認や遠隔対応などを担う責任者。
- 注3)出典:警察庁 特定自動運行に係る許可制度の創設について(272KB)PDFファイルを開く
- 注4)
- 注5)出典:国土交通省「第3次交通政策基本計画」(1.0MB)PDFファイルを開く
- 注6)
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