ニュースリリース

リテールロボットを活用した分散型データセンター実証を開始

~P2MP型APNとGPU仮想化により、AI時代の電力・GPU不足を解決~

KDDI株式会社
モルゲンロット株式会社
株式会社トークネット

KDDI株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 CEO:松田 浩路、以下 KDDI)、モルゲンロット株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:中村 昌道、以下 モルゲンロット)、株式会社トークネット(本社:宮城県仙台市、代表取締役社長:伊藤 篤、以下 トークネット)は、2026年9月、AI時代における電力不足やGPU不足の解決を目指し、リテールロボットを活用した分散型データセンター実証を開始しました。
なお、本実証は総務省の「ワット・ビット連携関連実証事業新規ウィンドウで開く」に採択(該当項目へジャンプします注1)されています。

本実証では、KDDIの大阪堺データセンターと多摩ネットワークセンター間をAPNで接続します。また、多摩ネットワークセンター内にはPoint-to-Multipoint型APN(該当項目へジャンプします注2)を活用し、データセンターとユーザー拠点の接続を模擬したネットワークを構築します。それぞれのセンター内に配置されたGPUと、モルゲンロットが開発・構築したGPU仮想化基盤を組み合わせ、リテールロボットを用いたフィジカルAIの分散学習・遠隔推論を実施します。これにより、複数拠点に分散した計算資源の最適な活用方法と有効性を検証します。

<Point-to-Multipoint型APNとGPU仮想化を活用した分散型データセンターの構想図>

KDDIは、AI前提社会において、データセンターや海底ケーブルなどのアセットとAPNや6Gなどの技術を融合し、陸・海・空を網羅した全国低遅延網・AI計算資源基盤を構築する「デジタルベルト構想」を掲げています。
今後3社は、本実証におけるAPNの接続区間を東北エリアまで拡大し、地域に存在する計算資源や電力を有効活用できる環境づくりを推進します。さらに、分散型データセンターの構築を通じてフィジカルAIの社会実装を加速し、労働力不足の解消に貢献します。

■背景

近年、AIの普及に伴い、特に小売業や製造業などでフィジカルAIの社会実装が進んでいます。フィジカルAIは、低遅延かつ安定した処理が求められるため、お客さま拠点に近接するデータセンターや通信局舎の計算基盤を活用することが一般的です。
一方で、今後フィジカルAIを搭載したロボットなどの稼働台数が増加すると、近接するデータセンターや通信局舎の計算資源や供給電力の不足が課題になると懸念されています。
こうした課題に対し、電力需給と通信網を協調させる「ワット・ビット連携」の実現が期待されています。フィジカルAIの処理を距離の離れたデータセンターへ分散させるためには、低遅延・大容量通信が必要となります。また、電力需給や計算負荷の状況に応じて処理先を柔軟に切り替えながら、複数拠点に分散した計算資源を一体的に活用する仕組みも求められています。
これらの仕組みの実現においては、遠隔地のデータセンターを活用した場合でも、フィジカルAIに必要な応答性能を確保できる低遅延・大容量・省電力のAPNが重要になります。加えて、単一拠点から複数拠点へ接続可能なPoint-to-Multipoint型APNや、分散したGPUリソースを統合的に利用できるGPU仮想化基盤などの技術も必要となります。

■本実証について

1. 概要

(1)分散データセンターでの利用を想定したPoint-to-Multipoint型APNの検証

Point-to-Multipoint型APNを活用して、データセンターとユーザー拠点の接続を模擬したネットワークを多摩ネットワークセンター内に構築し、Point-to-Multipoint型APNの光学特性、トラフィック伝送性能、運用管理機能、消費電力を検証します。

(2)リテールロボットによる分散学習の効果検証

多摩ネットワークセンター内の小売店を模擬した実証フィールドにおいて、ロボットの作業に係る学習データを収集し、[1]「近接データセンター単一での学習」[2]「遠隔データセンター(大阪堺データセンター)単一での学習」[3]「近接および遠隔データセンターでの分散学習」のそれぞれの学習時間の短縮効果を検証します。

<分散学習の効果検証イメージ>
(3)リテールロボットによる遠隔推論の効果検証

端末内蔵(0km)、県内近傍(20km~)、県内遠隔(50km~)、県外(500km~)の4パターンのGPU配置において、リテールロボット作業に係る遠隔推論処理を比較検証します。

<遠隔推論の比較検証イメージ>

2. 各社の役割

KDDI
:フィールド検証環境の提供、エッジデータセンター環境の構築、リテールロボットを用いたフィジカルAIの遠隔推論および分散学習
モルゲンロット
:GPU仮想化基盤の開発、GPU分散処理の実行
トークネット
:2027年度に実証するAPN事業者間接続に向けたエリア間の接続検討、P2MP型APNの共同実証

(参考)

■モルゲンロットについて

モルゲンロットは、GPUリソースのクラウド提供や、仮想化機能を含む一元管理基盤の提供を行っています。本実証では、Point-to-Multipoint型APNによる多拠点接続およびフィジカルAIの実用をターゲットとし、GPU仮想化基盤の開発・構築と、GPU分散処理の実行を担います。学習および推論の実行パイプラインを考慮した柔軟な計算資源の管理を実現し、分散型データセンターの社会実装に貢献します。

■トークネットについて

トークネットは、東北6県および新潟県における情報通信インフラの発展・高度化を担う企業として、本実証への参画を通じて地方分散型データセンターの活用可能性を検証します。APNによる高速・低遅延な広域接続の実現により、地域に存在するAI計算資源や電力を有効活用できる環境づくりを推進します。将来的には、東北6県および新潟県から全国へ広がるAI・デジタル基盤の発展に貢献し、持続可能な地域社会の実現を目指します。

  1. 注1)
  2. 注2)1つの光信号に複数の宛先への信号をまとめて送信・識別することが可能なOpen XR Optics技術と光スプリッターを活用し、単一拠点から複数拠点へAPNでつなぐネットワーク構成。
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