~まずは日本の領海内からサービスを提供~
KDDI株式会社
KDDIは2023年7月3日から、衛星ブロードバンドサービス「Starlink」について、海上利用向けにサービス提供を開始します(以下 本提供)。
<Starlink海上利用イメージ>
<Flat High Performanceアンテナ>
■海上利用向け通信サービス提供の背景
- 海上における通信手段としては、従来から静止軌道衛星を利用したサービスが利用されています。しかし、PCやスマートフォンなど近年のデジタル機器の通信の高速化には対応できていません。また、気象情報や海洋情報がインターネット経由でやり取りされるようになり、海上でのリアルタイムな情報収集や発信が困難になりつつあります。
- 「Starlink」の高速通信が海上でも利用できるようになることで、リアルタイムでの気象情報や海洋情報の取得や送信による安全な運航の支援、また、データを大量に取り扱う海洋研究のDX化や、船舶の自動航行などが実現可能になります。また、緊急時の連絡手段の確保や長期乗船という特殊な環境下で働く船員の満足度向上などの課題解決にもつながります。
<海上向け通信サービスを望むお客さまの声>
海上で業務を行う海運会社や漁業組合、客船運営者などから以下のような声があり、本提供により解決を目指します。
- 緊急時の連絡手段を確保したい。
- 船上でのDX化を進めることで、作業の効率化・省力化につなげたい。
- 長期間陸上から離れる船員のために通信環境を整備し、家族や友人との連絡や、動画サービスなどの娯楽を楽しめるような環境を提供し、従業員満足度を向上したい。
- 客船におけるWi-Fiサービスを付加することで、乗船するお客さまの満足度を上げたい。
■KDDIとStarlinkの取り組み
- KDDIは、2021年9月にスペースX社と業務提携を行い、au基地局のバックホールにStarlinkを活用し、山間部や島しょ部などでも都市部と同様の高速通信が可能となるよう順次構築を進めています(注1)(注2)。
また、2022年10月からは「認定Starlinkインテグレーター」として、法人・自治体向けに「Starlink BUSINESS」の提供を開始し、建設現場や屋外施設の遠隔監視、災害対策など様々な場所で利用が広がっています。
さらに、Starlinkを活用したauエリア構築ソリューション「Satellite Mobile Link」(注3)、公衆Wi-Fiサービスと組み合わせた「山小屋Wi-Fi」(注4)や「イベントWi-Fi」(注5)の提供など、企業や自治体のニーズに合わせたソリューションやサービスの提供を拡充しています。 - いずれのサービスも陸上でStarlinkを使用するサービスですが、このたび、Starlinkを海上で利用する免許をStarlink Japan合同会社(スペースX社の日本法人)が取得し、日本の領海内(注6)においてStarlinkを使用することが可能となりました。KDDIは、本件における免許の取得および、技術的な評価について、スペースX社およびStarlink Japan合同会社を支援しました。
- 本提供では、航海中にダウンロード速度最大220Mbps(注7)の通信環境をご利用いただけます。アンテナは「Flat High Performance」タイプで、設置面積が小さく、デッキ上のスペースを占有することなく設置することが可能です。
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