~訪日外国人ビッグデータで、観光・商業振興の分析と立案に貢献~
KDDI株式会社
株式会社ナビタイムジャパン
KDDI株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 CEO:髙橋 誠、以下 KDDI)と株式会社ナビタイムジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長:大西 啓介、以下 ナビタイムジャパン)は2023年10月上旬から、インバウンド(訪日外国人)の訪問地などの動態を位置情報データで分析できる人流分析ダッシュボードサービス「KDDI Location Analyzer(訪日外国人版)Powered by NAVITIME」(以下 本サービス)の提供を開始します。
本サービスは、ナビタイムジャパンが保有する高精度な位置情報ビッグデータでインバウンドの動態分析が可能なサービスです。自治体における観光政策の立案のほか、さまざまな業種におけるインバウンド向けサービスについて、データに基づいた検証と改善が可能になり、さらに魅力的なインバウンド観光体験の提供と消費拡大に貢献します。
<分析結果画面イメージ>
■背景
- インバウンドは2019年に過去最高の3,188万人を更新後、コロナ禍により2021年には1/100以下となる24.6万人まで激減しました。世界的なコロナ禍の終息傾向に伴い、2023年は5月末までに864万人と大幅に増加し、今後もインバウンド需要の回復傾向が続くと考えられています(注1)。
- 日本政府は2023年3月決定の「観光立国推進基本計画」(注2)において、2025年に2019年を超えるインバウンド需要の回復を目指しています。また、2023年5月には「新時代のインバウンド拡大アクションプラン」(注3)を決定し、観光客の呼び込みだけでなく、ビジネス目的などの訪日外国人を地方に回遊させるなど、経済活性化の取り組みも進めていきます。
- 一方、諸外国内では日本の観光情報に違いがあり、国や地域で興味のあるカテゴリや人気スポットが異なっています。自治体や企業では国や地域の特性に合わせ、きめ細やかな観光戦略の立案・検証と改善を図る必要があります。また、客観的なインバウンドの人流・動態の情報取得を求める声も多くなっています。
■本サービスの概要
- 本サービスは、ナビタイムジャパンの訪日外国人向け経路検索・多言語観光案内アプリ「Japan Travel by NAVITIME」から利用者の同意を得て取得したインバウンドGPSデータと属性アンケートを基に、20の国・地域別にインバウンドの人流・動態分析が可能なサービスです。
- GPSの測位情報の活用で狭域メッシュ(125m)や施設サイズの分析ができ、きめ細やかなインバウンドの人流・動態分析が可能です。例えば、日本人と訪日外国人の動態の差を踏まえた地域や施設単位での最適な導線設計、複数の言語で案内などを行っている観光地における国籍別の最適な周遊ルート設定などに活かすことができます。
- 多くの自治体や法人のお客さまにご利用いただき、使いやすいUI/UXとご評価いただいている日本国内の人流ビッグデータ分析ツール「KDDI Location Analyzer」(以下 KLA)と同様に、直感的に操作できるUI/UXを搭載しています。KLAを利用中の自治体や企業でも特別な操作方法を覚える必要なく、すぐにインバウンド分析が可能です。
なお本サービスの先行実証として、沖縄県、沖縄県那覇市、一般社団法人広島県観光連盟、石川県金沢市にご協力いただき、観光地のインバウンドの分析を行いました。本サービスの活用により、インバウンド観光客の人流・導線を国別に視覚化・見える化でき、エビデンスに基づいた国別のマーケティングや観光施策の展開と検証への活用が可能と評価をいただいています。
KDDIとナビタイムジャパンは、本サービスを通じて、訪日外国人向けの施策へ広く貢献していきます。
本サービスや先行実証の詳細は別紙をご参照ください。
<別紙>
■「KDDI Location Analyzer(訪日外国人版)Powered by NAVITIME」詳細
1. 本サービスについて
2. 提供料金
以下のお問い合わせ先から、個別にお問い合わせください。
3. 提供開始日
2023年10月上旬以降
4. お申し込み方法・お問い合わせ
本サービスのご利用を検討されているお客さまは、こちらからお問い合わせください。
■観光地分析の先行実証について
本サービスの提供に先立ち、沖縄、金沢、広島におけるインバウンドの動態について分析を行いました。あわせて国内日本人の動態についてKLAを用いて分析し、国内とインバウンドの人流傾向を合わせて把握できるように分析しました。
1. 滞在人口分析で来訪の多い箇所を可視化(沖縄県那覇市 国際通り周辺)
<考察>
- インバウンド人流と国内人流ともに国際通りを中心に滞在が多く、県庁前駅や商業施設周辺にも人流が集中しています。
<担当者コメント>
沖縄県 商工労働部 ITイノベーション推進課、文化観光スポーツ部 観光政策課
「沖縄県では、デジタル社会を実現していく中で、社会・経済のDX推進に向けた取り組みの総称を『ResorTech Okinawa(リゾテックおきなわ)』と位置づけ、全産業におけるDXの加速化に取り組んでいます。なかでも、本県のリーディング産業である観光産業においては、『世界から選ばれる持続可能な観光地』の実現に向け、多彩かつ質の高い観光に向けたDXを推進しております。このたび、KDDI・ナビタイムジャパンが協働で取り組まれた今回の実証事業では、これまで包括的・客観的に把握することが難しかった、県内の観光スポットに、どこの国からの観光客が訪れているかが視覚化されています。こうしたデータは、観光産業をはじめとする県内産業のDXにつながるものであり、観光客のニーズに応じた高付加価値なコンテンツの創出や、エビデンスに基づいたマーケティングなど、さまざまな場面での活用が想定されます。今回の実証事業が契機となり、県内産業におけるデータ活用およびDXが進むことを期待しています。」
沖縄県那覇市 観光課 大田主事は分析結果について以下のように述べています。
「那覇市は、沖縄の空の玄関口、那覇空港を有し、コロナ禍前は国内外から1,000万人以上の観光客が訪れており、海外からの観光客数も令和元年までは年々増加しておりました。観光客の増加とともに、求められるニーズも多様化してきており、そうしたニーズに応えるべく、人流データの分析や、定点観測による分析は必要と考えております。KDDIの駆使するデジタル技術などで滞留するインバウンドの動向を正確に捉え可視化することは今後の観光施策形成の上でも参考になるものと思います。人流データのほかにも、消費拡大、経済波及効果など、消費の部分におけるデータ分析などできると面白いと考えます。」
2. 来訪者の発地分析(広島県広島市 平和記念公園周辺)
3. 時間帯別の来訪傾向の把握(石川県金沢市 兼六園、ひがし茶屋街、近江町市場周辺)
(参考)
■「KDDI Location Analyzer」について
「KDDI Location Analyzer」(KLA)は、KDDIと技研商事インターナショナル株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役:小嶌 智海)が共同開発した分析ツールです。データ利用許諾をいただいたauスマートフォンの位置情報ビッグデータと属性(性別・年齢層)情報(注4)を活用し、店舗や施設、特定エリアの来訪者数や時間帯・平休日別傾向、来訪者属性などを分析できます。多店舗展開のチェーン企業や消費財メーカー、各種サービス業、商業開発のデベロッパー、自治体、金融・不動産向けのコンサルタントが活用するエリアマーケティングツールとして導入いただいています。
「KDDI Location Analyzer」の詳細はこちら
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