~地域住民や国内外の旅行者向けに国際標準の安全なWi-Fi接続環境を実現~
KDDI株式会社
株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレス
KDDI株式会社 (本社: 東京都千代田区、代表取締役社長: 髙橋 誠、以下 KDDI) と株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレス (本社: 東京都中央区、代表取締役社長: 向吉 智樹、以下 Wi2) は、Wireless Broadband Alliance (WBA) (注1) が推進する国際的な無線LANローミング基盤OpenRoaming (注2) に対応したフリーWi-Fi構築用プラットフォーム (以下 本プラットフォーム) を開発し、2023年4月1日から自治体などへ提供開始します。また両社は、OpenRoamingを用いた「TOKYO FREE Wi-Fi」のサービス環境開発・運営を東京都から受託し、2023年3月31日から運用を開始します。
本プラットフォームは、フリーWi-Fiを提供するための基盤システムで、高セキュリティかつ利便性の高いフリーWi-Fi環境を実現します。
<東京都におけるOpenRoamingの活用イメージ>
今後海外との出入国増加が想定される中、旅行者が簡単に通信環境を確保する手段としてフリーWi-Fiが求められています。一方で従来のフリーWi-Fiは、端末とアクセスポイントの間が暗号化されていないことが多く、なりすましのアクセスポイントへの接続の抑制が困難などといったセキュリティ上の課題がありました。
本プラットフォームにより、お客さまはエリアに掲示されたQRコードやアプリなどから1度登録するだけで、OpenRoamingに対応している国内外のフリーWi-Fiへ安全に自動接続することが可能となります。これにより、Wi-Fiスポットでの登録が不要となるほか、なりすましのアクセスポイントで個人情報を盗まれるなどのリスクを軽減します。
■本プラットフォームの試験運用実績
1. 東京マラソン2023
2023年3月5日に開催された東京マラソン2023の事前受付カウンター、スタート地点のゲート付近にて、本プラットフォームを活用したOpenRoamingによるWi-Fiの試験運用を実施しました。海外から来訪されたランナーから、「簡単にWi-Fiに接続し、アプリによる本人確認をすることができた」という声をいただきました。
一部のスポットでは、回線混雑時の安定的なWi-Fi提供に向けて、衛星通信Starlinkおよび5G SAによるネットワークスライシングを活用する実証を行い、混雑した環境下において無線通信の容量確保が可能になることを確認しました。
KDDIは東京マラソン2023のサポーティングパートナーです。
<東京マラソン2023 OpenRoamingのWi-Fi実証構成図>
2. 新宿中央公園
2023年3月1日から2023年3月14日まで、新宿中央公園の「眺望のもり」に設置された屋外テントのワークスペース内で試験運用を実施しました。その結果、ご利用されたお客さまからは「自宅や勤務先のように簡単・安全にWi-Fiに繋がるため、便利で安心できる」という声をいただきました。
■本プラットフォームの特長
1. 安全で高速なフリーWi-Fiの実現
アクセスポイントの正当性を電子証明書で検証する仕組みを備え、偽物が設置された場合も、利用者が接続してしまうのを未然に防ぐことができます。あわせて、無線通信区間を利用者毎に異なるキーで暗号化し、盗聴を防ぎます。また、2022年9月より国内で運用可能となった6GHz帯 (Wi-Fi6E) に対応し、最大2.4Gbpsの通信速度を実現するなど、より快適なWi-Fi環境の実現に向けた取り組みを行います。(注3)
2. 多様なOS・言語のサポート
主要なOS (iOS、Android、Windows、macOS) に対応し、分かりやすいガイダンスを備えた初期設定システムを提供します。日本語に加え、英語、中国語 (簡体字)、中国語 (繁体字)、韓国語の各言語による利用登録手順を提供します。電話・メールによるお客さまサポート窓口 (日本語、英語対応) を開設し、新しい技術を用いた安全なWi-Fiサービスを簡単にご利用いただけます。また、この初期設定システムは自治体のアプリや公式SNSアカウントなどとの連携に対応し、各種媒体にWi-Fi接続機能を統合することが可能です。
3. 外部サービス連携の拡大
OpenRoamingに対応したさまざまな外部サービスからも接続することが可能です。一部のスマートフォンでは標準で接続機能を搭載するほか、OpenRoaming対応アプリなどからも利用することが可能になります。また、教育・研究機関向けの認証基盤であるeduroam (注4) にも対応し、国内で約300の参加機関に所属する学生・教職員が利用している認証情報でも接続することができます。
これらのサービスを含む、アクセスポイントへの接続は、自動的に集積・データ化される仕組みを備え、設置場所毎の利用状況の可視化・需要分析に対応します。
4. 自治体サービスとの連携
自治体が提供する防災アプリなどの各種サービスと連携することで、新たな専用アプリをインストールすることなくフリーWi-Fiが利用可能です。災害時や観光の際にも簡単にWi-Fiへ接続でき、非常時にも通信手段の確保が可能となります。従来のフリーWi-Fi同様に、地域ブランドなど独自名称にカスタマイズして展開可能です。
両社は、本プラットフォームの提供を通じて、災害に備えた地域の通信手段確保、国内外から訪れる旅行者への情報提供、デジタルデバイド解消といった、国内各地における地域課題解決を支援していきます。また、光回線、5G、衛星をはじめとするKDDIグループの多様なアクセス回線との組み合わせによって、サステナブルな地域ネットワークを実現していきます。
(参考)
■Wi-Fiインフラの価値を高める取り組み
両社が共同提供している「au Wi-Fiアクセス」にApp Store、Google Play で配信される国内開発日本語対応アプリとして初のOpenRoaming対応アップデートを2023年3月から提供開始しています。国内外のより多くのエリアで安全なWi-Fi接続を実現するとともに、設置場所の位置情報を活用したリアルタイムの情報配信機能により、Wi-Fiスポットにあわせた情報提供を行います。
また、250万を超える利用者さまのOpenRoaming接続状況やエリア間の流動状況の統計化により、自治体におけるDX・データ活用の取り組みへWi-Fiアクセスポイントを活用できる基盤を実現していきます。
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