トピックス

コロナ禍が精神症状へ及ぼす影響に関する共同研究がTranslational Psychiatry誌に掲載

株式会社国際電気通信基礎技術研究所 (ATR)
KDDI株式会社
株式会社KDDI総合研究所

~コロナ禍が精神症状に与える影響の時間的な経過を解明~

株式会社国際電気通信基礎技術研究所 (本社: 京都府相楽郡精華町 (けいはんな学研都市)、代表取締役社長: 浅見 徹、以下 ATR)、KDDI株式会社 (本社: 東京都千代田区、代表取締役社長: 髙橋 誠、以下 KDDI)、株式会社KDDI総合研究所 (本社: 埼玉県ふじみ野市、代表取締役所長: 中村 元、以下 KDDI総合研究所) が、国立大学法人熊本大学 (所在地: 熊本市中央区、学長: 小川 久雄、以下 熊本大学)、学校法人大阪医科薬科大学 (所在地: 大阪府高槻市、学長: 佐野 浩一、以下 大阪医科薬科大学)、防衛医科大学校 (所在地: 埼玉県所沢市、学校長: 四ノ宮 成祥) の研究グループと連携して調査した、新型コロナウイルス感染症の流行が精神症状に与える影響の時間的な経過についての研究内容 (以下 本研究) が、国際精神医学雑誌「Translational Psychiatry (トランスレーショナル サイカエトリー)」に2021年11月11日に掲載されました。Translational Psychiatryとは、精神医学界における多種多様な情報から新しい治療の概念を生み出すことに焦点を当てた査読付き精神医学雑誌で、インパクトファクター (該当項目へジャンプします注1) は直近5年では7.097です。

本研究では、2019年12月、2020年8月、2020年12月、2021年4月の4回にかけて、新型コロナウイルス感染症の流行が「不安」、「抑うつ」、「インターネット依存」、「強迫性障害」、「アルコール依存」、「社交恐怖」、「社交回避」、「自閉症」、「ADHD」の9種類の精神症状に与える影響を調べています。一時点の個別の症状のみに焦点を当てた調査が多い中、複数症状に関して、長期的な調査を行ったことが評価されました。
本研究の詳細な結果については、新規ウィンドウが開きますATRのページをご確認ください。

3者は、今後も調査を行い、スマートフォンのみならず多くの精神症状が新型コロナウイルス感染症などのパンデミックを経てどのように変遷していくかを研究し、正しいスマートフォンとの付き合い方を理解することで適切なスマートフォン利用の啓発を促していきます。加えて、KDDIグループは2024年度以降に提供開始予定のスマホ依存軽減アプリの開発 (該当項目へジャンプします注2) にも本知見を活用していきます。

(参考)

Translational Psychiatry 誌 (英国時間・2021年11月11日午前1時公開)
Taiki Oka, Takatomi Kubo, Nao Kobayashi, Fumiya Nakai, Yuka Miyake, Toshitaka Hamamura, Masaru Honjo, Hiroyuki Toda, Shuken Boku, Tetsufumi Kanazawa, Masanori Nagamine, Aurelio Cortese, Minoru Takebayashi, Mitsuo Kawato, Toshinori Chiba. "Multiple time measurements of multidimensional psychiatric states from immediately before the COVID-19 pandemic to one year later: A longitudinal online survey of the Japanese population." Translational Psychiatry. (2021).
DOI: 新規ウィンドウが開きますhttps://doi.org/10.1038/s41398-021-01696-x

■研究グループ

  • ATR
    : 岡 大樹※1、久保 貴富、中井 文哉※2、アウレリオ・コルテゼ、川人 光男、千葉 俊周※3
  • KDDI
    : 三宅 佑果
  • KDDI総合研究所
    : 小林 直、浜村 俊傑※4、本庄 勝
  • 熊本大学
    : 竹林 実、朴 秀賢
  • 大阪医科薬科大学
    : 金沢 徹文※5
  • 防衛医科大学校
    : 戸田 裕之、長峯 正典
  • ※1 熊本大学と併任
  • ※2 奈良先端科学技術大学院大学と併任
  • ※3 神戸大学・自衛隊阪神病院と併任
  • ※4 日本学術振興会特別研究員 (PD)
  • ※5 フローリー研究所 (メルボルン大学) と併任

■研究支援

本研究の一部はAMED戦略的国際脳科学研究推進プログラムの「脳科学とAI技術に基づく精神神経疾患の診断と治療技術開発とその応用」課題 JP21dm0307008 (研究代表者 川人光男)、防衛装備庁安全保障技術研究推進制度『潜在脳ダイナミクス推定法の開発と精神状態推移の解明と制御』(研究代表者 内部英治) の一環として行われました。

  • この記事に記載された情報は、掲載日時点のものです。
    商品・サービスの料金、サービス内容・仕様、お問い合わせ先などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。