ニュースリリース

「鳥羽丸」を災害時の船舶型基地局として運用開始

~KDDI保持7機目、災害時の迅速なauエリア復旧体制を構築~

KDDI株式会社

KDDIは災害時の迅速なauエリア復旧体制を構築するため、独立行政法人 国立高等専門学校機構 鳥羽商船高等専門学校(所在地:三重県鳥羽市池上町、校長:古山 雄一、以下 鳥羽商船高専)が新造する「鳥羽丸(とばまる)」にStarlinkを活用したau基地局を設置し、2025年3月を目途に「鳥羽丸」を活用した船舶型基地局の運用を開始します。
なお、KDDIと鳥羽商船高専は、2024年11月27日に「災害発生時における船舶型基地局の設置に関する連携協定書(以下 本協定)」を締結しました。

KDDIはこれまで、南海トラフ地震に備え太平洋側を中心に船舶型基地局を6機設置しており、このたびの「鳥羽丸」への設置により7機目となります。今後も船舶事業者と連携し、日本海側への船舶型基地局の設置も進めていきます。

船舶型基地局は、災害時に船の上に設置されている基地局から、島や沿岸部に向かって電波を発射することでエリア復旧に努めるものです。2024年の能登半島地震の際には、バックホール回線としてStarlinkを活用した船舶型基地局を運用し、被災地の迅速なエリア復旧に貢献しました。Starlinkを活用することで、災害時でも高速・低遅延なau通信を利用可能になります。

<災害時のエリア復旧に用いるStarlinkアンテナ>
<練習船「鳥羽丸」(該当項目へジャンプします)>

「鳥羽丸」は、外洋での航海術を習得するために建造された練習船で、海運界の将来の担い手育成に活用されます。これまで実習目的のみで使用していた練習船に基地局を設置することで、両者は練習船の有効活用を目指します。

詳細は別紙をご参照ください。

<別紙>

■KDDIの災害対策

  • 基地局が災害の影響を受けた際、KDDIは車載型基地局などを用いてエリアの応急復旧対応を実施しています。土砂崩れによって道路が寸断され、車載型基地局などでは応急復旧まで時間を要する場合、海側からエリア復旧が可能な沿岸地域に対し、船舶型基地局を活用したエリア復旧を行っています。
  • 大規模災害などの影響で陸上の基地局が十分に機能していない周辺地域においても、船舶型基地局によりau・UQ mobile・povoをご利用中のお客さまに携帯電話サービスをご利用いただけるようになります。
  • KDDIは「KDDIオーシャンリンク」など、6隻の船舶に船舶型基地局を設置しています。2018年の北海道胆振東部地震や2019年の台風15号の際には、被災地における通信設備への電力供給状況が不透明であったことから、「KDDIオーシャンリンク」の船舶型基地局によるエリア復旧を実施しました。2024年の能登半島地震の際には、バックホール回線としてStarlinkを活用した船舶型基地局を運用し、被災地の迅速なエリア復旧に貢献しました。

■本協定について

1. 本協定の内容
  • 災害発生時における「鳥羽丸」の有効活用(Starlinkを活用した船舶型基地局の設置および運用)
  • KDDIの災害用物資の搬送(Starlink Wi-Fiスポット、充電スポット、水、非常食、可搬型基地局などの災害復旧に用いる機材など)
  • 災害発生時における船舶型基地局運用に備えた定期的な訓練の実施
2. 各社の役割
  • KDDI
    :Starlinkを活用した船舶型基地局の運用
  • 鳥羽商船高専
    :「鳥羽丸」への船舶型基地局の設置場所の提供および運航、並びに災害用物資の搬送

(参考)

■船舶型基地局について

2011年の東日本大震災において、道路の寸断や光ケーブルの切断により陸路からの基地局復旧に困難を要しました。その経験から、海側からエリア復旧が可能な沿岸地域の通信エリアを、船舶に搭載する基地局によって復旧すべく、関連機関の協力のもとで実証試験や訓練を実施し備えています。

■これまでの取り組みについて

  1. 注)現在の鳥羽丸の写真です。基地局を設置するのは新造船のため、画像の船舶に基地局は設置しません。
  • この記事に記載された情報は、掲載日時点のものです。
    商品・サービスの料金、サービス内容・仕様、お問い合わせ先などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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